某大手企業の社長「従業員の行動が規律違反していないか」というご相談

従業員の行動調査

今回は自身が雇っている幹部社員の動向が気になり、ご相談くださいました。

社内の噂で、今回調査対象となる人物(以下「対象者」と記述)が自身でお店を立ち上げようとしている。と社長さまの耳に入ってきたそうです。
会社の規則として、まずダブルワークはNG。なにより、就業時間内にちょこちょこ会社を抜け出し、開業前の準備をしているんだとか…

対象者は社長さまの出社及び退社時間を把握しているので、目を盗んで抜け出している可能性は確かにあるとのこと。
他の社員に申し訳がないし、社内の士気が下がるという想いから、今回ご契約頂きました。

対象者は原付で出勤するため、こちらもバイクを使用しての調査となり、調査員2名24時間パックの概ね33万円程度の内容で締結しました。ちなみに当社の最低調査時間は3時間となっています。

今回の調査で最重要なのは、対象者が会社を出て、どこで何をしているのか。またどのような人物と接触しているのか。ということです。早速調査を契約日の6日後から開始することになりました。

我々調査員として調査を始める前にしておきたいことは下見調査です。今回の場合、調査時間が12時~16時の4時間調査を6日間行うというもの。実際に足を運び、交通量や人通り、周囲に馴染みやすい服装、張り込み位置などを入念にチェックしておくのが鉄則です。

下見調査後、事務所に戻り調査員同士で会議が始まります。厄介なことに人通りが少ない場所で、バイクを数時間停めておくには不自然な場所でした。対象者が原付である以上、こちら側も小回りが利くバイクで勝負しなければならないため、会議は数時間にも及びました。

まず、張り込み位置を決めるポイントとしては何日間の調査を行うかということです。1日だけの調査であれば、大げさな話、会社の目の前に立っていてもさほど乗り越えられるものです。しかし今回は6日ということなので、そのような場合は日によって、張り込み位置などを変える必要があります。対象者に怪しいと思われないのは当たり前のことですが、近隣の住民や通行人、会社の社員さん方にも不信感を与えることがないように実施しなくてはなりません。不審者と思われ、警察に通報されることや社員さんが会社内に話を持ち込み、「外に怪しい人たちがウロウロしていた」など噂話にでもされたら厄介ですので。このように本調査をする前に勝負はすでに始まっているのです。

日は流れ、調査日初日になりました。この日は快晴でした。悪天候時のバイク調査は危険なため、調査失敗のリスクが高くなります。

まず調査開始時刻を迎える前にバイク駐輪場に対象者のバイクが停まっているかの確認をします。相談時に頂いている情報は対象者がバイクを使用すること、バイクを駐車している場所、バイクの種類、ナンバー等です。これらの情報が違うと調査方法はがらりと変わります。ですので確認は必須です。

調査員1名は対象者のバイクが見渡せる位置に、もう1名は会社の出入り口が見渡せる位置にスタンバイして、調査を開始しました。
開始時刻から1時間経たないうちに対象者が会社から出てきて、自身のバイクが停められている駐輪場に向かったのを確認しました。調査員同士で情報を共有し、駐輪場付近で張り込みをしている調査員が対象者を確認出来たタイミングにて、もう1名がバイクに跨り、尾行準備に入りました。付近の道路状況は、小さな交差点に信号機がちょこちょこ付いていることとバイクが通り抜け可能な小道がパラパラとあることです。さらに車両の交通量も少なく、一瞬でも目を離せば見失ってしまう状況でした。かと言って張り付くと対象者にバレる恐れがあるので、中々に難しい調査内容でした。

私たちは相談時に依頼者がお話しされたこと(対象者が会社を立ち上げようとしているかもしれない)を念頭に置いていました。あくまで仮定としてですが、事実ならばそこに向かう可能性が高い。ということ。要するにその場所さえ把握してしまえば、今後無理にバイクでの尾行をしなくても良いので、調査発覚のリスクが下がります。

今まで調査を幾度も経験してきましたが、やりやすい調査は1割もありません。ただ、調査を継続していく中で調査がやりやすくなることはあります。
今回の場合、一度追い切ってしまえば、やりやすくなるだろうと思い、出来る限り、不審な動きをしないよう尾行をしました。

バイクで尾行をし、5分程度走ったところで、対象者が停車しました。そこは道路沿いに接する路面店でした。出入り口はシャッターが閉まっており、看板がなければ、人もおらず、閉店したであろう飲食店の様でした。

対象者の姿を撮影していると対象者が自らシャッターの鍵を解錠し、中に入っていきました。それから数分後、車両が付近に停車し、運転席から40代程度の女性が降りてきました。その後、お店の中に入るのを確認しました。それから約2時間後に2人がお店から出てきて、今度は女性がシャッターの鍵を施錠しました。対象者と女性は別方面に走り去って行ったので、今回は対象者の尾行に専念しました。結局対象者はバイク駐輪場にバイクを駐車させて、会社に戻ったのを確認し、初日の調査は終了しました。

2日目は初回調査日の2日後に行いました。依頼者さまに初日に起こった出来事をお話ししたところ、今回も対象者に専念してほしい。との要望がありました。
よって、初回調査同様、会社出入り口付近及びバイク駐輪場付近に調査員をそれぞれ配置し、初回調査で得た情報を基に路面店の方面に向かった際は、無理に追うことはせずに距離を開けながら尾行をすることにしました。

対象者が会社から出てきた後、バイクに乗り込むのを確認しました。その後、路面店の方面に向かって行きましたが、路面店を通り過ぎて10分ほど走ってホームセンターの駐車場に入りました。ホームセンターでは、主に掃除用具を購入し、バイクに乗り込むと路面店付近に停車しました。掃除用具を片手に路面店に入るのを撮影し、出てくるまで付近にて、張り込みをしました。今回は出入り口のシャッターが解錠されていたことと付近に前回入手した女性の車両が停車していた為、すでに店舗内に女性がいると予測出来ました。約3時間後、対象者と女性が一緒に出てきて、別々の方面に向かって行きましたので、対象者を追ったところ、バイクを駐輪場に停めて、会社内へ入りました。その一連の流れを撮影し、本日の調査は終了しました。

3日目の調査を行う前に依頼者様と対談をし、女性のお写真とこれまでの調査結果をお伝えしました。こちらの女性に心当たりがありますか?と尋ねると、対象者の彼女だと判明しました。恐らく2人でお店の開業準備をしているんだろう。ということ。すでに2日分は証拠を撮れているが、証拠はあった分だけ良いので、引き続き調査をお願いします。ということで、残り4日も継続することにしました。

当社からのご提案で何度もバイクを尾行するのは発覚のリスクが高くなるため、調査員1名が会社付近にて、張り込み。もう1名が路面店付近にて、張り込みのプランを提示すると、プロの方々にお任せ致します。と承諾して頂きました。

3日目の調査日となり、調査員2名が定位置にて待機。対象者が会社の出入り口から出てきて、バイクに乗り込みました。この時の様子を撮影しつつ、もう片方の調査員と連携を取ります。その後、路面店に対象者が現れて、店舗内に入る姿を撮影。数時間後、店舗から出てきて、バイクに乗り込むまでを撮影し、もう片方の調査員がバイク駐輪場付近で待機しているので、対象者がバイクを停めて、会社内に入る姿を撮影し、本日の調査は終了しました。

4日目~6日目までも同様の調査プランにて続行し、無事証拠を撮影することが出来ました。
調査を実施する上で一番大切なことは調査が発覚しないことですので、調査は成功と言えるでしょう。

10日後、調査報告書が完成し、対面にて依頼者様とお話をすると「会社の重要ポストではあったが、他の社員に申し訳がないのでしっかり考えて、答えを出したい。ありがとう!」と強い言葉を放たせて、依頼は終了しました。

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